技能実習計画の認定

 技能実習は、技能等の適正な修得等のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行わなければなりません。そのため、技能実習生ごとに作成する技能実習計画は、技能実習の目標や内容、技能等の評価、技能実習を行わせる体制、技能実習生の待遇等に関する基準を全て満たしている必要があり、実習実施者は、関係法令を遵守し、認定を受けた技能実習計画に従って技能実習を行わせる責務があります。 

技能実習計画の認定

○ 実習実施者は、受け入れようとする技能実習生ごとに技能実習計画を作成(団体監理型の場合には、監理団体の指導に基づいて作成)し、機構から認定を受ける必要があります(法第8条及び第12条)。この認定申請は、法第9条の認定基準を満たすことを証明する添付資料等を添えて、機構の地方事務所・支所の認定課に申請しなければなりません。 

 

○ 技能実習計画は、技能実習生ごとに、第1号、第2号及び第3号の区分を設けて認定を受けますが、修得等をさせる技能等の基準や従事させる業務の基準等に従ったものでなければなりません。また、第2号及び第3号技能実習を行うためには、「移行対象職種・作業」である必要があります。 

 

○ このほか、技能実習生や実習実施者にも満たさなければならない基準があり、技能実習の実施に関する契約等の内容や、入国後講習の実施内容及び実施方法、技能実習を行わせる体制・事業所の設備、技能実習生の待遇や受け入れられる人数等の基準等に適合しているものでなければなりません。

 

○ 技能実習制度の適正な運用のため、技能実習計画の認定に当たっては、実習実施者の欠格事由が設けられています(法第10条)。 

 

○ なお、技能実習計画の認定は、技能実習計画が認定基準等に照らして適当であるか否かを確認する事実行為であり、認定自体による法的効果は存在しません(処分に該当するものではありません。)。 

技能実習計画の変更

○ 実習実施者は、認定を受けた技能実習計画を変更する場合には、変更する内容によって、計画の変更認定又は届出の手続が必要です(法第11条)。 

技能実習を継続できなくなった場合

○ 技能実習の実施が困難になった場合には、企業単独型実習実施者は、遅滞なく機構の地方事務所・支所の認定課に対し届出を行い、また、団体監理型実習実施者は、遅滞なく監理団体に対し通知を行わなければなりません(法第19条)。なお、通知を受けた監理団体は、遅滞なく対象の実習実施者の住所地を管轄する機構の地方事務所・支所の認定課に対し届出をしなければなりません(法第33条)。

 

  ○ 実習実施者及び監理団体は、上記の届出をしようとする場合等において、技能実習生が引き続き技能実習を行うことを希望するときは、他の実習実施者や監理団体等との転籍に向けた連絡調整等の必要な措置を講じなければなりません(法第51条第1項)。 

実習実施者の責務

○ 実習実施者は、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護について技能実習を行わせる者としての責任を自覚し、技能実習生が技能実習に専念できるよう環境の整備に努めるとともに、実習期間の終期まで技能実習計画に従って技能実習を行わせなければなりません。 

 

○ また、技能実習生は労働者として、日本人労働者と同様に労働に関する法令の適用を受け、保護されています。労働に関する法令とは、労働基準法(昭和22年法律第49号)、最低賃金法(昭和34年法律第137号)、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)のほか、妊娠・出産等による不利益取扱いを禁止している雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)や、同一労働同一賃金を定めた短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム・有期雇用労働法)、ハラスメント防止対策を義務付ける労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等も含まれており、技能実習生も対象となることに注意してください。 

技能実習の実施

○ 実習実施者は、初めて技能実習生を受け入れて実際に技能実習を行わせた際には、遅滞なく機構の地方事務所・支所の認定課に対し実習実施者の届出をしなければなりません(法第17条)。

 

○ 実習実施者は、技能実習に関する帳簿書類を作成し、事業所に備えて置かなければなりません(法第20条)。 

 

○ 実習実施者は、毎年1回、4月1日から5月31日までに、直近の技能実習事業年度(4月1日に始まり翌年3月31日に終わる技能実習に関する事業年度)に係る実施状況報告を機構の地方事務所・支所の認定課に提出しなければなりません(法第21条)。 

報告徴収、行政処分等

○ 技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護のため、機構が実習実施者に対する実地検査等を行うほか、主務大臣の職員による報告徴収等の権限も規定されています(法第13条及び第14条)。 

 

○ さらに、技能実習計画の認定後においても、実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと認めるときや出入国・労働関係法令に違反しているときなど、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護のために必要があると認められるときは、出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣が改善命令を行うことができることとされています(法第15条)。

また、出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣は、実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと認めるとき、出入国・労働関係法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき、改善命令に違反したときなどにおいて実習認定を取り消すことができます(法第16条)。 


技能実習計画の認定

○ 技能実習を行わせようとする個人又は法人は、技能実習生ごとに技能実習計画を作成し、技能実習計画認定申請書(省令様式第1号)を機構に提出しなければなりません(法第8条第1項及び第12条)。 


監理団体の指導

○ 団体監理型技能実習において、実習実施者は、技能実習生に修得等をさせようとする技能等について一定の知識又は経験を有する監理団体の役職員の指導の下で、十分に監理団体と意思疎通を図って技能実習計画を策定することが求められます(法第8条第4項)。

 

○ そのため、実習実施者が技能実習生に修得等をさせようとする技能等については、実習監理を受けようとする監理団体の取扱職種の範囲内であることが必要となります。


技能実習計画の認定基準

第1 技能実習生の本国において修得等が困難であること 

 

第2 技能実習の目標に関するもの 

 

○ 技能実習が修了したときに到達すべき技能等の水準として、第1号技能実習から第3号技能実習の各段階において目標を定めなければなりません。 

○ 第1号技能実習の修了時においては、第2号技能実習に移行する予定がある場合には、技能検定又は技能実習評価試験(以下「技能検定等」という。)の実技試験と学科試験の受検が必須とされ、基礎級への合格を目標としなければなりません。  第2号技能実習に移行する予定がない場合には、基礎級への合格を目標としなければならないわけではなく、修得をさせる技能等を要する具体的な業務ができるようになること及び当該技能等に関する知識の修得を内容とするものであって、かつ技能実習の期間に照らし適切な目標を定めることも可能です。 

○ 第2号技能実習の修了時においては、技能検定等の実技試験の受検が必須とされ、3級の実技試験への合格を目標としなければなりません。 

○ 第3号技能実習の修了時においては、技能検定等の実技試験の受検が必須とされ、2級の実技試験への合格を目標としなければなりません。 

 

第3 技能実習の内容に関するもの 

 

(1) 修得等をさせる技能等の基準に関するもの

 

○ 技能実習制度は、我が国から技能実習生の本国への技能等の移転を図るものであることから、同一の作業の反復によって修得等ができる程度のものである場合には、移転すべき技能等として認められないこととなります。 

○ また、第2号又は第3号技能実習へ移行し、3年ないし5年の技能実習を行わせるに当たっては、技能実習生が修得等をした技能等について技能検定等により客観的かつ公正に評価を行うことが求められます。その上で、それぞれ第1号又は第2号の各段階を修了した際に、技能実習生が目標として定めた技能検定等に合格していなければ、次の段階の技能実習に進めないという仕組みとされています。 

○ このため、第2号又は第3号技能実習については、公的評価システムとして技能検定等が整備されている「移行対象職種・作業」であることが要件として設けられています。 

 

(2) 従事させる業務の基準に関するもの 

 

○ 規則第10条第2項第2号ロの要件については、技能実習を行わせる事業所において通常行われている業務であり、当該事業所における業務において一般的に用いられている機械、器具等の設備等の使用を求めるものです。技能実習生の受入れのみのために、当該事業所において通常行われていない業務を行ったり、当該事業所において一般的に用いられていない設備等を使用したりすることは、認められません。  ○ 規則第10条第2項第2号ハ及びニの要件については、移行対象職種・作業に係るものについては、技能等の修得等の促進を図り、効果的な技能実習を可能とする観点から、業務に従事させる時間全体と比べた必須業務、関連業務及び周辺業務の時間の割合を算出し、それぞれ、必須業務が2分の1以上、関連業務が2分の1以下、周辺業務が3分の1以下となっていることを求めるものです。   また、必須業務、関連業務及び周辺業務のそれぞれについて、従事させる時間のうち10分の1以上を安全衛生に係る業務を行わせる必要があります。 

 

(3) 技能実習生の基準に関するもの 

 

○ 技能実習の適正な実施を図るためには、実習実施者や監理団体が体制を整えた上で適切な指導を行うことが重要ですが、それに加え、技能実習生も制度の趣旨を理解し、実習実施者や監理団体の指導の下、技能実習に対する意欲を持ち続けることが必要となります。 

 

○ 第二号技能実習の終了後本国に一月以上一時帰国してから第三号技能実習を開始するものであること又は第二号技能実習の終了後引き続き第三号技能実習を開始してから一年以内に技能実習を休止して一月以上一年未満の期間一時帰国した後、休止している技能実習を再開するものであること

 

(4) 申請者(実習実施者)の基準に関するもの 

 

○ 制度の趣旨を理解して技能実習を行わせようとする者であることを明示的に求めるのは、制度の趣旨を理解せず、労働力の需給の調整の手段として技能実習生を受け入れる事業者は、技能等の修得等をさせる十分な努力を行わないばかりか、技能実習生に対する労働関係法令違反や人権侵害行為等の問題を生じさせることにも繋がる可能性があるためです。

 ○ 第1号及び第2号の技能実習の合計3年間については、基礎的な技能等を効果的・効率的に修得等する期間であるため、同一の実習実施者において計画的かつ効率的に一貫して技能等を修得・習熟させることが重要です。したがって、第2号の技能実習計画に係る申請者はその技能実習生に第1号技能実習を行わせた者であることが求められます。 

○ ただし、第1号技能実習と同一の実習実施者でないことについて、やむを得ない事情がある場合は、例外的に第1号技能実習を行わせた者以外の申請者も認められます。   

やむを得ない事情がある場合に該当するのは、例えば、以下のとおりです。

・ 第1号技能実習を行わせた実習実施者の倒産・経営状態悪化

・ 第1号技能実習を行わせた実習実施者における実習認定の取消し

・ 第1号技能実習を行わせた実習実施者における労使間の諸問題

・ 第1号技能実習を行わせた実習実施者における対人関係の諸問題

・ その他、第1号技能実習を行わせた実習実施者で技能実習を続けさせた場合において技能実習の適正な実施が期待できないと認められるとき 

〇 なお、第3号技能実習については、基礎的な技能等を効果的・効率的に修得等する期間は修了しており、いわゆる応用段階の実習になることから、第2号技能実習を行わせた実習実施者と同一の者の下での技能実習であることを必ずしも求めていません。技能実習生の意向に基づいて、実習先を選択することが可能となっています。 

 

(5) 外国の準備機関の偽変造文書の行使に関するもの 

 

(6) 技能実習の実施の基準に関するもの 

 

○ 「保証金の徴収その他名目のいかんを問わず、金銭その他の財産を管理されないこと」については、実習実施者、監理団体、取次送出機関又は外国の準備機関のみならず、本邦内において技能実習に関与するいわゆるブローカー等を含め、幅広く規制の対象とするものです。 この規定は、技能実習生のみならず、技能実習生と社会生活において密接な関係を有する者(親族等)まで対象としています。

  ○ 「申請者又は外国の準備機関(団体監理型技能実習にあっては、申請者、監理団体、取次送出機関又は外国の準備機関)との間で、違約金等の契約を定めていないこと」については、技能実習生等との直接の契約でなくとも、実習実施者と取次送出機関などの関係者間で違約金を定めるような契約が行われた場合は、違約金を払う立場の機関が技能実習生等から保証金や高額な手数料等を徴収するおそれがあるため、技能実習生の保護の観点から求められているものです。 具体的には、技能実習生が失踪した場合に制裁として取次送出機関が実習実施者に対し違約金等を支払うことなどを定める契約などが想定されます。 

○ 「技能実習生に対して暴行、脅迫、自由の制限その他人権を侵害する行為が行われていないことを定期的に確認すること」については、保証金契約や違約金契約以外にも、技能実習生が不当な取扱いを受けていないことを、技能実習生の保護の観点から実習実施者及び監理団体に定期的に確認させることを目的とするものです。 不当な取扱いとは、例えば、取次送出機関の日本駐在事務所の職員が、技能実習生との間で外出禁止等の不当な取決めをしているような場合などが想定されます。 

○ 「取次送出機関又は外国の準備機関が徴収する費用の名目及び額を技能実習生が十分に理解した上で合意していること」については、技能実習生が不当に高額な送出費用を支払い、多額の借金を抱えて来日するといった事案があるのも事実であり、このような事案を防止するため、設けられた規定です。 各国の法制に従って適法に行われることが前提となりますが、旅券の取得等に要した費用など社会通念上、技能実習生が負担することに合理的な理由が認められるものについて、このルールにのっとって取次送出機関や外国の準備機関が費用を徴収することは可能です。 したがって、取次送出機関が監理団体へ技能実習生を取り次ぐ場合にあっては、当該技能実習生が取次送出機関及び外国の準備機関から徴収された費用の額及びその内訳について、技能実習生から聴取するなどして、当該費用が技能実習生の合意の下で徴収されたものであることを確認することが必要です。 

 

(7) 講習の基準に関するもの 

 

○ 第1号の技能実習生については、入国後一定の期間、「① 日本語」、「② 本邦での生活一般に関する知識」、「③ 出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その他技能実習生の法的保護に必要な情報」及び「④ ①から③までのほか、本邦での円滑な技能等の修得等に資する知識」に掲げる科目について、講習を受講することが必要となります。 

 

第4 技能実習の期間に関するもの 

 

○ 第1号技能実習の期間は1年以内、第2号又は第3号技能実習の期間は2年以内です。 

○ 本基準である同一区分の技能実習の期間については、原則として単一の技能実習計画の範囲内で判断されるものです。ただし、同じ段階の技能実習を行ったことについてやむを得ない事情がある場合として、中断後の再開又は転籍を行う場合にあっては、既に行った同一段階の技能実習計画上の技能実習の期間と通算してその期間を判断します。 

 

第5 前段階の技能実習における目標の達成に関するもの

 

○ 第2号又は第3号技能実習に係る技能実習計画の認定を受けるためには、前段階の技能実習の目標を達成していなければなりません。 

 

第6 修得等をした技能等の評価に関するもの 

 

第7 技能実習を行わせる体制に関するもの 

 

(1) 技能実習責任者の選任に関するもの 

 

○ 技能実習責任者には、欠格事由に該当する者(禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終えた日から5年を経過していない者など)、過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者、未成年者はなることができません。 

○ 技能実習責任者は、規則第12条第1項第1号イからリまでに掲げる事項を統括するために、下記の①~③の条件を満たす者でなくてはなりません。

① 実習実施者又はその常勤の役員若しくは職員である者

② 自己以外の技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督することができる立場にある者

③ 過去3年以内に技能実習責任者に対する講習(主務大臣が告示した養成講習機関が実施する講習)を修了した者 

○ 技能実習責任者は、技能実習指導員、生活指導員等を監督する立場にあることから、新人職員等の業務の経験が少ない者等を技能実習責任者に選任することは認められません。 

 

(2) 技能実習指導員の選任に関するもの 

 

○ 技能実習指導員には、欠格事由に該当する者(禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終えた日から5年を経過していない者など)、過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者、未成年者はなることができません。

  ○ 技能実習指導員は、技能実習の指導を担当するために、下記の①及び②の条件を満たす者でなくてはなりません。

① 実習実施者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者

② 修得等をさせようとする技能等について五年以上の経験を有する者 

 

(3) 生活指導員の選任に関するもの

 

○ 生活指導員には、欠格事由に該当する者(禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終えた日から5年を経過していない者など)、過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しい不当な行為をした者、未成年者はなることができません。 

○ 生活指導員は、技能実習生の生活の指導を担当するために、実習実施者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者でなくてはなりません。 

 

(4) 入国後講習の施設確保に関するもの 

 

○ 第1号企業単独型技能実習にあっては実習実施者が、第1号団体監理型技能実習にあっては監理団体が入国後講習を実施する施設を確保しなければなりません。 

○ 入国後講習の実施は、入国後講習が座学で行われることに照らして、机と椅子が整えられた学習に適した施設(実習実施者又は監理団体が施設を自己所有していることまでを求めるものではなく、例えば市や町の公民館を借りるなど、実習実施者又は監理団体が他の者から賃借するなどの方法で施設を確保することでも差し支えありません。)で行われなければならないこととしていますが、講師と技能実習生が、同時に双方向で意思疎通する方法(音声と映像が伴うものに限る。)によりオンラインで実施することを可能としています。なお、このような方法で入国後講習を行う場合であっても、実施方法や実施した事実が客観的に確認できるよう、適切に記録を行うことが必要です。 

 

(5) 労災保険関係成立等の措置に関するもの 

 

(6) 帰国旅費の負担に関するもの 

 

○ 企業単独型実習実施者又は監理団体は、技能実習生の帰国旅費を負担するとともに、技能実習の終了後の帰国が円滑にされるよう必要な措置を講じなければなりません。 

○ 技能等を移転するという技能実習制度の趣旨に鑑みて、技能実習生の帰国に支障を来さないようにするために、企業単独型実習実施者又は監理団体が帰国旅費の全額を負担し、「必要な措置」として、技能実習生が帰国するまでの間、生活面等で困ることがないよう、技能実習生が置かれた状況に応じて、その支援を行うこととしているものです。 

○ 上記については、帰国予定の技能実習生の在留資格が、帰国が困難である等の事情により他の在留資格に変更された場合であっても同様です。 

○ 監理団体は、「必要な措置」を講じるに当たって生じる費用及び帰国旅費については、「その他諸経費」として、監理費(実費に限る。)を実習実施者から徴収することができますが、いかなる理由でも、技能実習生に負担させることは認められません。 

 

(7) 外国の送出機関からの取次ぎに関するもの 

 

○ 団体監理型技能実習においては、監理団体が取次ぎを受ける場合には、外国の送出機関からでなければなりません。これは、技能実習生の保護の観点から、一定の基準を満たした外国の送出機関からのみ取次ぎを認めるものです。 

 

(8) 人権侵害行為、偽変造文書等の行使等に関するもの 

 

○ 技能実習計画の認定を受けるためには、過去5年以内に技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行っていないこと、申請者等が不正な目的で偽変造文書等の行使等を行っていないことが必要です。 

○ 「技能実習生の人権を著しく侵害する行為」の代表例としては、実習実施者又はその役職員による技能実習生への暴行や暴言があります。その他の例としては技能実習生から人権侵害を受けた旨の申告があり人権擁護機関において人権侵犯の事実が認められた場合や、実習実施者が技能実習生の意に反して預金通帳を取り上げていた場合などが考えられます。 

○ また、技能実習生への必要な指導等のつもりであったとしても、暴言や脅迫(例:指示に従わなければ帰国させる旨の発言等)、暴行(例:殴打、足蹴りを行う、工具で叩く等)といった行為はいかなる理由であっても当然ながら許されません。 

〇 なお、人権を著しく侵害する行為は、暴力行為に限られず、大声で怒鳴る、侮辱するといった行為やセクシュアルハラスメントなども含まれることに注意が必要です。 

○ 技能実習生の指導等に際しては、文化や言語の理解力等の違いなどから指導する側の意図に反して誤って伝わってしまい、極めて深刻な結果となってしまうことがあります。このようなことにならないためにも、日頃から個々の技能実習生の状況に十分配慮して、指導に際しても、「やさしい日本語」(難しい言葉を言い換えるなど、相手に配慮した分かりやすい日本語)を意識するなど丁寧な態度でコミュニケーションをとり、信頼関係の構築に努めることが必要です。 

○ 「不正な目的での偽変造文書等の行使等」の代表的な例としては、機構が実習実施者に対し、実地検査をした際、技能実習生に対する賃金の不払事実を隠蔽するために、二重に作成した虚偽の賃金台帳を提示したような場合などが考えられます。 

 

(9) 法令違反時の報告、二重契約の禁止に関するもの 

 

○ 実習認定の取消事由(法第16条第1項各号)に該当するに至った場合は、企業単独型実習実施者は機構の地方事務所・支所の指導課に、団体監理型実習実施者は監理団体に、当該事実を報告しなければなりません。団体監理型実習実施者から当該報告を受けた監理団体は、監査を行うこと等により、その事実を確認しなければなりません。 企業単独型実習実施者による機構への報告は、報告書(参考様式第3-1号)によって行うこととなります。団体監理型実習実施者による監理団体への報告は、書面・口頭を問わず、適宜の方式で報告することとして差し支えありません。 

○ また、実習実施者又は監理団体は、技能実習計画と反する内容の取決めを技能実習生との間で行ってはなりません。「技能実習計画と反する内容の取決め」の代表的な例としては、一定の時間外労働時間数を超過した場合に最低賃金額未満の賃金額で支払うとする取決めや時間外労働に対して出来高払制で賃金を支払うとする取決めなどがあります。 

 

(10) 監理団体の改善命令に関するもの

 

○ 団体監理型技能実習の場合に、監理団体が改善命令を受けたことがある場合については、その改善命令を受けた点について当該監理団体が改善に必要な措置をとっている必要があります。 

 

(11)行方不明者の発生に関するもの

 

○ 実習実施者又は監理団体が、責めに帰すべき事由により技能実習生の行方不明者を発生させている場合には、技能実習を適切に行わせる体制が整っているとはいえないことから、過去1年以内に責めに帰すべき事由による技能実習生の行方不明者を発生させていないことを求めるものです。 

 

(12) 技能実習を継続して行わせる体制に関するもの 

 

○ 技能実習を継続して行わせるに当たって、実習実施者は、一定程度の財務的基盤を有することが必要です。この点については、実習実施者の事業年度末における欠損金の有無、債務超過の有無等から総合的に勘案されることになります。 

○ また、技能実習を継続して行わせる体制を整備する観点から、技能実習生の人数及び作業内容に照らして、技能実習指導員の数が著しく少ない場合などには、その体制を強化し適切なものとすることが求められます。

 

第8 技能実習を行わせる事業所の設備に関するもの 

 

○ 技能実習生が技能等を適正に修得等をするためには、事業所の設備が整っていることが欠かせません。「必要な機械、器具その他の設備」については、技能実習生に行わせる業務により異なるものですが、移行対象職種・作業として実習を行う場合には、その移行対象職種・作業の技能実習計画の審査基準、技能実習計画のモデル例、技能検定等の実技試験過去問題等を参照し、記載のある機械、器具等を用いて技能等の修得等を行わせることが推奨されます。 

 

第9 監理団体による実習監理に関するもの

 

○ 団体監理型技能実習の場合、実習実施者は、技能実習計画の作成について指導を受けた監理団体による実習監理を受けなければなりません。 

○ また、監理団体は監理責任者を選任しなければなりませんが、監理責任者は、実習実施者の役職員若しくは過去5年以内に役職員であった場合や、これらの者の配偶者若しくは二親等以内の親族である場合は、当該実習実施者の実習監理を行うことはできず、他の監理責任者を新たに選任し、実習監理を行わせる必要があります。  

○ 実習認定を受けて技能実習を開始した後に、監理団体が許可の取消しを受けるなどの事情により、実習監理を受ける監理団体に変更が生じ得る場合は、新たな監理団体による技能実習計画の作成の指導が必要となることから、実習実施者は、新たな監理団体による指導の下で技能実習計画を作成した上、技能実習計画の変更認定を受けなければなりません。 

 

第10 技能実習生の待遇に関するもの

 

(1) 技能実習生に対する報酬の額に関するもの 

 

○ 技能実習生に対する報酬の額については、技能実習生であるという理由で不当に低くなるということがあってはなりません。同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合には、技能実習生の任される職務内容や技能実習生の職務に対する責任の程度が当該日本人労働者と同等であることを説明した上で、当該日本人労働者に対する報酬の額と同等以上であることを説明する必要があります。

※ パートタイム・有期雇用労働法の規定により、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保に向けて、同一企業内の正規雇用労働者と有期雇用労働者との間で、不合理な待遇差を設けることや職務内容等が同じ場合に差別的取扱いを行うことは禁止されています(令和3年4月から中小企業にも当該規定が適用されています。)。有期雇用労働者である技能実習生も対象となることに注意してください。

○ 技能検定等の受検料や監理団体に支払う監理費等の費用がかかるからといって、技能実習生の報酬の額を低くすることは許されません。   技能実習制度では時間外労働を原則としては想定していませんが、やむを得ない業務上等の事情等により時間外労働等を行わせる場合、適正に割増賃金が支払われなければなりません。 

 

(2) 宿泊施設の確保に関するもの 

 

○ 実習実施者又は監理団体は、技能実習生のための適切な宿泊施設を確保しなければなりません。

 

(3) 入国後講習への専念措置に関するもの 

 

○ 実習実施者又は監理団体は、第1号技能実習生が入国後講習を受講する期間において、講習に専念できるよう期間中の技能実習生の待遇を確保することが求められます。 

○ 具体的には、入国後講習期間中に技能実習生の自己負担が発生する一方で手当が支給されない場合等には、入国後講習に専念することができないことが想定されるため、食費、居住費等に自己負担がある場合に、これと同等以上の額の講習手当が支払われることが必要となります。 

 

(4) 監理費の負担禁止に関するもの

 

(5) 技能実習生が定期に負担する費用に関するもの 

 

○ 食費、居住費、水道・光熱費など技能実習生が定期に負担する費用については、技能実習生との間で合意がされている必要があります。

 

(6)報酬の口座振込み等に関するもの 

 

第11 優良な実習実施者に関するもの 

 

第12 技能実習生の人数枠に関するもの 

 
  • 外部監査人に就任することができます。
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